名知聡子個展"告白"、オープニング

小山登美夫ギャラリー（清澄）では、今年初めての個展が1/16からスタートいたしました。愛知県を拠点に活動する若手作家、名知聡子さんの個展"告白"を開催しております。

名知さんは1982年生まれ。今回が小山登美夫ギャラリーでの初めての個展となります。東京オペラシティアートギャラリーでのproject N 32（2008）や、「花・風景　モネと現代日本のアーティストたち」（熊本市現代美術館、2009）にて展示された、スケールの大きな作品は話題となりました。3月に開催される、本年度のVOCA展にも出品いたします。現在、注目されている若手作家の一人です。


大きい！名知さんは、以前から巨大なペインティングを継続的に制作してきました。写真の「子守唄」は、今回展示されている作品の中では最大のサイズです。約4m x 8mという大きさ。巨大な画面上にびっしりと描き込まれたモチーフや模様は、鑑賞者の視線を釘付けにします。以前にオペラシティで発表された「幸福と絶望」は、横幅が11mもあります。『空間すぺてをわたしで埋め尽くしたい』と作家が語るように、巨大な画面は、純粋な想いで満たされています。


オープニングレセプションの前に名知さんによるアーティストトークが開催されました。寒い中、たくさんのお客様にご来場していただきました。ありがとうございます。小山登美夫ギャラリーでは、これからもアーティストトークなどのイベントを企画していく予定です。予約不要、無料ですので、小山登美夫ギャラリーのホームページで詳細をご確認の上、お気軽にご参加ください。
約30分のトークでは、壁一面に広がる大作「子守唄」を中心に、制作の動機やテクニックについてご説明いただきました。



名知さんの作品は、自画像や友人といった、身近な人物がモチーフとして描かれます。作家の想い人とのエピソードや様々な経験が、内省され、作品へと具体化されていきます。その多くは、個人的な体験に基づいて描かれているといえます。名知さんの中で反芻された体験は、作家個人の範疇を超えて、鑑賞者にとっても、ある種のリアリティを感じさせます。それは、失恋の痛手や理想と現実のギャップに悩む、一人の人間としてのリアリティに他なりません。内省によって普遍化された体験は、多くの人々の共感を呼ぶことでしょう。名知さんのインタビューは、後日アップロード予定です！右の画像に写っているのが、名知さんです。背後の壁には写真作品が展示されています。名知さんは、写真やインスタレーションも制作しており、その中から2点の写真作品が今回は展示されています。



こちらの作品「miniature garden」は6Fに展示されました。オープニングの日のみの特別展示のため現在はご覧いただけませんが、ご紹介いたします。


画面のフレームにはレースが描かれています。細密描写され、可憐な世界に彩りを加えています。とてもロマンチックな作品です。この作品も含めた、今回の個展の作品を収録したカタログが、2月上旬（予定）に出版されます。価格は1,000円（会期終了後、通常の当ギャラリーカタログと同様に、1,200円となります。）で、小山登美夫ギャラリー（清澄・京都）、TKG Editions、TKG Editions Kyotoで取り扱いいたします。



会期は2/13までです。どうぞご高覧ください。

小山登美夫ギャラリー